自宅で介護していると、被介護者に何かあった時の第1発見者になる確率が高くなる。被介護者が自宅で亡くなっているのを発見した時は、救急車を呼ばない方が良いというのを聞いたことがある。警察から事情聴取され、容疑者のように扱われたり、死亡診断書が出るのが遅くなったり、解剖が必要となったりすることがあるらしい。
かといって、救急車を呼べば助かる命が、助からなくなってしまうのではないか? 救急車を呼ばないなら、何をしたらいいのか。そうなったときに慌てないように準備しておきたい。
まず、被介護者が、倒れている、意識がない、状態がおかしいことを発見した時に、救急車を呼ぶとどうなるか調べてみた。
救急車到着時に、被介護者が、死亡していたら、救急隊員は遺体を運ばず、警察に連絡する。すると、警察官と検視官がやって来る。検視の結果、病死か自然死でない場合は不審死として、第1発見者や家族(相続人)達を事情聴取する。事情聴取は殺人の疑いが晴れるまで行われる。事件性がないと判断されれば、医師が「死体検案書」を作成する。
被介護者が生存していた場合は、救急隊員は救命処置を取り、病院へ搬送する。病院で回復見込みがないと判断されると、延命治療が開始される。なぜか、この延命措置を避けた方がいいとする意見がある。
延命治療とは、病気の回復ではなく、生かすことを目的に行う治療のことで、具体的には人工呼吸、人工栄養(胃ろう等)、人工透析を指す。被介護者が自宅で倒れて救急車を呼ぶケースの延命治療が人工透析や胃ろうといのは考えにくいので、人工呼吸になるだろう。人工呼吸器を装着している間は生きており、外すと亡くなる。いわば、最期をいつにするか程度コントロールできる状態となる。
一旦、人工呼吸を開始すると、いつか誰かが外す決断をしなくてはならない。外すことは死に直結するので、外す決断を下すのは勇気がいる。だからと言って、外す決断をせず、延命治療を続けているのも辛い。延命しても被介護者が回復することはなく、被介護者も苦しむ時もある。また、金銭的にも嵩んでいく。これを避けるために、亡くなっている場合は救急車を呼ばずに、訪問医を呼ぶことを勧めている人が少なくない。
では、訪問医を呼ぶとどうなるのか。診療時間中は電話は通じるが、すぐには来れないだろう。診療時間外は電話も通じないかもしれない。被介護者の状態を見るまで、時間がかかるだろう。その間救命措置はできない。
助かる見込みがある時は救急車、ないときは訪問医という選択になるだろう。問題は、倒れている被介護者を見て、どうやって助かる見込みがあるかないかを即座に判断するのかだ。病気で次第に弱っていってという経過があり、医師からもう長くないことを告げられていれば、訪問医で良いだろう。または冷たくなっているなどがあれば、恐らく亡くなっているだろう。ただ、直前まで元気だったのに倒れていた場合や、体がまだ温かい場合は救急車が良いだろう。
急に自宅で亡くなっているのを発見するというのは想像したくない。病院で医師に見守られながら息を引き取ってほしい。そして、最期を受け入れる覚悟が整っていて、落ち着いて見送りたい。
延命はしないという決断がすんなり取れるように、被介護者には十分長生きし、最期まで幸せに過ごしていて欲しい。


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