30年前の夢を実行

幸せ

学生時代、都内から東武線に乗って埼玉県の大学に通っていた。天気のいい日は授業に出たくなくて、大学のある駅に着いても降りたくなく、このまま電車に乗って遠出したい、と何度も思った。

東武線にそのまま乗っていたら群馬県まで行く。群馬の街並みはどんな景色だろうと想像してワクワクした。けれど1度も実行しなかった。いつもちゃんと授業に行った。いつか授業のない休日に実行しようとまで思ったが、休日にわざわざ大学のほうに行く気になれず一度も実行しないまま卒業した。

大学卒業から約30年が経った。そして、昨日とうとう思い立って実行した。といっても、大学時代に使っていた東武伊勢崎線ではなく、東武東上線で。同じ東武線なので、なんとなく雰囲気が似ている。

温かいペットボトルのお茶と豆大福をもって、都内から下りの各駅停車に乗った。天気はとてもよく、電車はガラガラ。都心から離れるにつれ高層ビルがなくなり、住宅も少なくなり、山、川、林が広がってきた。

きれいな景色を眺めながら、オーディブルで小説を聞き入っていたら、あっという間に終点の小川町駅に到着。電車を乗り換えて、もっと先の知らない駅まで行ってみようか悩んだが、電車の本数が少ないのと日も落ちてきたのでやめておいた。小川町駅の周囲にはお店や公園などなさそうだったので、ホームのベンチでお茶と豆大福を食べて、また都心へ戻る電車に乗った。

帰りは夕日に照らされる山や林を眺めながら、途中、以前遊びに来たことのある武蔵嵐山や森林公園を通り、そのときの楽しかった思い出がよみがえった。楽しかった思い出は、つらかった思い出より悲しくさせる。帰りはオーディブルは聞かず、ずっと思い出に浸りながら電車に揺られ、都心に戻ってきたころはすっかり日が暮れていた。 昨日は30年前にいつかやろうと思ったことをやっと実行できた日だった。

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