以前、「ふざけた会話」という記事を書いた。 上司に突然「かっぱ寿司の企業名を当ててみて。当たらなかったら奢ってください」とクイズを出し、距離を一気に縮めた部下の話だ。
その部下が、年末の部会で全員の前に立ち、昇進が決まったことと来年の抱負を語った。 冒頭で彼はこう言った。 「僕の強みはコミュニケーション能力です。その力を活かしてチームをリードしたいと思います。」
正直、意外だった。 私は彼のことを、無邪気で天然なタイプだと思っていた。 深く考えずに、自然と人と打ち解けられるのだとばかり思っていた。
しかし彼は、自分の強みに気づいていた。 自分が“コミュニケーション上手”であり、その能力が武器になることを理解していたのだ。
その瞬間、私は少し警戒した。 上司にあのふざけたクイズを出したのも、実は計算だったのではないか。 クライアントとの親しげな会話も、すべて意図的だったのではないか。 「自分は人に好かれる」という自信が、彼の行動の根底にあるように思えた。
ただ、自分で「コミュ力が高い」と口にするのは、たとえ事実でも避けたほうがいい。 コミュ力は生まれ持った才能のように扱われがちで、低い人から見れば羨望や嫉妬の対象にもなる。
そもそも、言わなくても周囲は気づいている。 コミュ力の高い人ほど、それを誇示したり、意図的に使っていることを見せないほうがいい。
それは、容姿の良い人が自分から「美人」「イケメン」と言わないのと同じだ。 他人に褒められても謙遜し、興味がないふりをする。 容姿も使い方次第で、異性を惹きつけたり、人に丁重に扱われたりと、容姿のせいでそのように扱ってもらえない人から見たら、羨望や嫉妬の対象になる。
コミュ力も同じで、自分では気づいていないふりをするくらいがちょうどいい。


コメント